珈琲通ドットコムお勧めコーヒーブック

皆さんはどのようにコーヒーを楽しまれているのでしょうか? 美味しいと評判の喫茶店を飲み歩きされる方、自身の舌と腕を信じて試行錯誤を繰り返されている方、缶コーヒーやインスタントコーヒーで妥協されている方など様々であると思います。 コーヒーは嗜好品ですから各個人が楽しむことが一番であるのです。

が、やはり美味しいコーヒーを周りのみんなにも知ってもらいたいとお思いの方も多いことでしょう。 そこで、自分のコーヒー観を偏らせず、より多くの人に受け入れられるコーヒーを目指して見るのも、また、コーヒーの楽しみ方なのです。 それには、他のコーヒー好きの方々の意見を手軽に覗いて見ることが、自分のコーヒー観を偏らせないためにもっとも大事なことなのです。 最も手軽な方法のひとつとしてコーヒーの書籍があります。 世の中の自称コーヒー通、または、コーヒーのプロを自認されている方々の知識や考え方は非常に役に立つものが多いです。

ただし、コーヒーはあくまで嗜好品であるので、コーヒー書の著者とコーヒーの価値観が大きく違うものもあります。 また、感銘を受けて、自身のコーヒーの教科書としたくなるようなものもあります。

コーヒーの書籍の購入に関してですが、大概は料理のコーナーにあります。 大概はワインや紅茶などの隣に置いてあります。 一度覗かれて見てはいかがでしょうか?

以下に現在私の手元にある既読のコーヒー書を評とともに、本サイトの参考文献としてあげさせていただきます。 なお、私の一押し書籍には、マークをつけています。 ご参考にしてください。

書籍名出版社著者コメント
珈琲、味をみがく雄鶏社星田宏司、蒲田幸雄、伊藤博、柄沢和雄 コーヒーを趣味として極めるとこうなるんだという、一例とも言える書籍。 写真や挿絵が少ないため、コーヒー初心者が読んでも良く分からない点が多いが、コーヒー好きにはすんなりと楽しめる。 私のコーヒーの手網焙煎の教科書的存在。良書。
こだわりのコーヒーブック大泉嘉茂明宏 コーヒー初心者向きの一冊で、写真と絵により分かりやすい内容にまとまっている。 一通り基本は押さえてあるが、やや読み応えに欠ける。
コーヒーの功罪文芸社大里林蔵 コーヒーと健康と言う切り出しで、どうやったら健康的で美味しいコーヒーをいれられるのかというテーマが中心となっている。 コーヒー職人の記述と言う感じで、基本的にはすべて文字だけである。 読むたびに、喫茶店経営者は全員この本を読むべきだと痛感させられる。
珈琲をおいしく飲もう中央公論社暮しの設計編集部編 全体的に内容が濃いが、尻切れとんぼの連続と言う感も残る。 しかし、より多くの情報を詰め込んであるので、読み応えは十分にある。 沖縄の国産コーヒーについての記述などもある。
コーヒー読本 第2版東洋経済新報社UCC鹿島珈琲編 コーヒーの木自身やコーヒーの歴史に関して、さすがUCCという感はある。 また、インスタントコーヒーや缶コーヒーに関する内容も当然のごとく深い。 ただし、全体的に軽く、ひとつひとつの記事にもう一歩踏み込んで欲しかった。
コーヒー実用ハンドブック柴田書店柴田書店出版部編 自家焙煎のお店を対象としたプロ用の書籍で、内容は非常に濃い。 コーヒー1杯のコスト計算から、焙煎機の構造と原理まで書かれている。 写真が無く図解のみのため、コーヒー職人の自覚がないレベルでは読んでも知識の消化不良に陥りそう。 良書。
田崎真也のテイスティング
コーヒーブック
新星出版社UCCコーヒー味覚表現委員会編 世界一のソムリエの田崎真也のコーヒーテイスティングがウリの書籍。 だが、さすがはUCCだけあって、書籍に掲載したコーヒーの銘柄数は多い。 特に、近年売り出し中の中国の雲南やオーストラリアまで掲載されている。 ただし、この本を読むとワインを飲みたくなくなる傾向に陥る危険性有り。
珈琲永岡書店堀口俊英 写真中心の書籍だが、全体的に片寄り無く、テンポ良くまとまっている。 やや、コーヒーのレシピ集にページを割き過ぎの感もある。 ただし全体的に軽く、やや読み応えに欠ける。
コーヒー専科時事通信社小林七郎 内容は濃いが、テンポ良くまとまっている。 中心はコーヒー豆にかかわるもの一通りで、コーヒーマニアにはたまらないだろう。 この書籍の対象は、将来コーヒーで飯を食う可能性の有るセミプロレベルか。
珈琲ナツメ社柄沢和雄 写真中心の書籍で、特にコーヒーレシピに力を注いでいる。 ただし、頭が痛くなってくるようなメニューも有り、一長一短でもある。 メーカー物の商品カタログなどにも意外とページを割いている。
コーヒー事典保育社伊藤博 コーヒー関係の用語をこれでもかというくらい集めた事典。 特に用語の英訳も載っており、翻訳ソフトを使っても分からない単語が分かるので、ホームページ作成者にはとてもありがたい。 書籍としても結構楽しく読める点も良い。良書。
コーヒーが廻り世界史が廻る中央公論社臼井隆一郎 コーヒーの歴史をまとめ上げた本で、コーヒーの発祥から第二次大戦までがまとめられている。 ただし、この書籍には、モカコーヒーのファンを量産させる可能性も持っているので注意が必要。 コーヒー書としてだけでなく、歴史の書籍としても楽しめる。良書。
OYSYコーヒー・紅茶柴田書店池田宗章編 コーヒーと紅茶の本だが、コーヒーの21銘柄について焙煎程度順に豆が並べられているリストは必見に値する。 また、どうするとコーヒーがまずくなるかと言う観点でも見ているところは良い。 ただし、中心はこだわりのコーヒー・紅茶の店舗紹介にページを割き過ぎなのが残念である。 また、店舗の地図を見ていくと、かなりの確率で迷子になるので注意が必要。
カフェ&紅茶ビジネスを始めたい同文書院中村久美子 喫茶店開業予定者向けの書籍だが、男性社会であるこれらの業界に如何に女性が進出するかという点が強調されている。 基本は、店舗の情報と店長の開業までの道のりという形式。 一応巻末にコーヒーと紅茶に関わる専門学校や資格についてまとめられているのでこちらも一見の価値がある。
コーヒー&エスプレッソの技術教本旭屋出版旭屋出版「喫茶&スナック」編集部 コーヒーにこだわる喫茶店業者がさらにコーヒーを探求して作成した書籍。 職人的なコーヒーの淹れ方だけでなく、お湯の温度による味の違いや抽出時のフィルター内部の写真、フィルターの違いによるコーヒーの顕微鏡写真など科学的にもこだわっている。 直火式の焙煎機の設置方法や、コーヒーのブレンドの仕方などにまで記述されている。良書。
人気のコーヒー チョコレート ココア旭屋出版編集 永瀬正人 コーヒーだけでなくチョコレートとココアを使った豊富なメニューを記載し、充分喫茶店のメニュー開発の教科書となる。 コーヒーに関しては、特にエスプレッソに力が注がれており、メニューだけでなく、業務用のエスプレッソ・マシーンの性能比較やフォームアートの仕方までが書かれてある。
コーヒーという文化柴田書店UCC珈琲博物館編 1992年(平成4年)に神戸で行われた国際コーヒー文化会議の報告書という位置付けの書籍。 国内外の発表者の論文をまとめてあり、コーヒー生産国代表の発表はコーヒー生産の状況がつづられており、農産物のコーヒーということを再認識させられる。 しかし、大半は喫茶店やコーヒーの器に関する歴史が多く、中には読んでて頭が痛くなってくるような、まさに論文そのものというものもある。

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